クリスマスの絵本を探しているときは、クリスマス絵本のおすすめ|0〜6歳の年齢別まとめへ。
クリスマスは、どうして始まったのでしょうか。子どもにそう聞かれたとき、「イエス・キリストの誕生日だから」と答えて、そのあとが続かなくなることがあります。この記事では、クリスマスの由来を、まず子どもに話せる短いお話にしました。そのあと、大人が知っておきたい12月25日の理由、ツリーやケーキの由来を、確かなことと諸説に分けてまとめます。
サンタクロースの由来は、別の記事に分けています。サンタクロースの由来は?聖ニコラウスのお話と名前・赤い服の理由も、あわせて読めます。
子どもに話せる、イエス・キリストの誕生のお話
読み聞かせのように、そのまま声に出せる長さにしました。イラストを見せながら読むと、小さな子にも伝わります。旅と赤ちゃんが生まれた場面だけでも大丈夫です。
ナザレの町から、旅に出る
むかし、ナザレという小さな町に、マリアさんとヨセフさんという夫婦が暮らしていました。マリアさんのおなかには、もうすぐ生まれる赤ちゃんがいます。
ある日、国じゅうに、皇帝からのおふれが出ました。「すべての人は、自分の生まれた町へ帰って、名前を登録しなさい」。
ヨセフさんの生まれた町は、ベツレヘムです。ナザレからは、歩いて何日もかかる、遠い道のりでした。マリアさんの体のことを思うと、ヨセフさんの胸は、少し重くなります。それでも、ふたりは、おふれのとおりに、旅に出ました。
昼は、ほこりっぽい道を歩きました。夜は、道ばたで休みました。おなかの赤ちゃんを、ふたりで守りながらの旅です。

ベツレヘムの夜
ベツレヘムに着いたのは、日がすっかり暮れたころでした。町は、おふれのために帰ってきた人たちで、あふれています。ヨセフさんは、一軒、また一軒と、宿屋の戸をたたきました。
「すみません、泊めていただけませんか」「ごめんよ、どの部屋もいっぱいなんだ」。どこへ行っても、答えは同じでした。町じゅうの宿が、満員だったのです。

けれど、ひとつだけ、場所が見つかりました。動物たちが休む、屋根のあるところです。ふたりは、そこで夜をすごすことにしました。
そして、その夜、マリアさんは、男の赤ちゃんを産みました。名前は、イエスです。マリアさんは、赤ちゃんを布でそっとくるみました。ベッドは、ありません。かわりに、動物のえさを入れる、飼い葉桶(かいばおけ)に、赤ちゃんを寝かせました。

野原の羊飼いたち
同じ夜、ベツレヘムの町の外の野原では、羊飼いたちが、羊の番をしていました。夜の野原は、暗くて、しんとしています。
そのとき、とつぜん、あたりがぱっと明るくなりました。ひとりの天使が、羊飼いたちの前に立っていたのです。羊飼いたちは、おどろいて、からだを固くしました。
天使は、やさしい声で言いました。「こわがらなくていいのですよ。みんなによろこびの知らせを伝えに来ました。今日、ベツレヘムで、救い主がお生まれになりました。布にくるまって、飼い葉桶に寝ている赤ちゃんを、さがしてごらんなさい。それが、しるしです」。
すると、空いっぱいに、たくさんの天使が現れました。天使たちは、神さまをたたえる歌を、声を合わせてうたいました。

やがて、天使たちが空へ帰っていくと、野原は、また暗くなりました。羊飼いたちは、顔を見合わせて、言いました。「さあ、行ってみよう。天使が教えてくれたことを、見に行こう」。
羊飼いたちは、急いでベツレヘムへ向かいました。そして、動物たちのいる場所で、飼い葉桶に寝ている赤ちゃんを見つけました。天使の言ったとおりでした。

羊飼いたちは、見たこと、聞いたことを、会う人みんなに話しました。それを聞いた人たちは、おどろきました。マリアさんは、ひとつひとつのできごとを、胸にしまって、じっと思いめぐらせていた、と聖書には書かれています。
遠い国から来た博士たち
それから、しばらくたったころのことです。はるか東の国で、星を調べていた博士たちが、夜空に、いつもとちがう星を見つけました。「あの星は、新しい王さまがお生まれになったしるしにちがいない」。

博士たちは、その星をたよりに、長い長い旅をして、ついにイエスのもとにたどり着きました。そして、赤ちゃんの前にひざまずいて、贈り物をささげました。黄金と、乳香(にゅうこう)と、没薬(もつやく)です。

いまも続く、お祝いの日
この赤ちゃんが、のちに、イエス・キリストと呼ばれるようになりました。キリスト教では、イエスの生誕をお祝いする日が、クリスマスです。
教会や幼稚園、保育園で行われるクリスマスページェント(クリスマス劇、聖誕劇)では、子どもたちが、マリアさん、ヨセフさん、羊飼い、天使、博士になって、この夜のお話を演じます。

寒い冬の夜に、灯りをともして、だれかのことを思い、贈り物をする。そのお祝いが、長い時間をかけて、世界じゅうに広まっていきました。
おしまい。
この話は、聖書のルカによる福音書とマタイによる福音書の内容を、子ども向けにやさしく言いかえたものです。羊飼いの話はルカ、博士の話はマタイにあり、別々の福音書に書かれています。イラストでは、羊飼いと博士が同じ場面に描かれていますが、聖書では、博士が訪れたのは、少しあとのことです。
聖書に書かれていないこともあります。ロバ、「馬小屋」という言葉は出てきません。博士の人数も書かれておらず、贈り物が三つだったことから、三人とされてきました。宿屋の戸をたたいて回る場面は、聖書には「泊まる場所がなかった」とあるだけで、やりとりは語り伝えで広がった描き方です。小さな子に話すときは、ここまで細かく分けなくて大丈夫です。
クリスマスの意味と起源、名前の由来
クリスマス(Christmas)は、「キリストのミサ(礼拝)」という意味の言葉から来ていると言われています。キリスト教で、イエス・キリストの生誕を祝う日です。日本語では、降誕祭(こうたんさい)とも呼ばれます。「Xmas」と書くことがありますが、Xは、ギリシャ語でキリストを表す言葉の最初の文字だとされています。略し方の一つで、特別な意味が隠れているわけではありません。
祝う日が始まる前の期間は、アドベント(待降節)と呼ばれます。ラテン語の「到来」という言葉が元で、降誕を待つ準備の期間です。西方教会では、11月30日にいちばん近い日曜日から始まり、日曜日ごとにろうそくを1本ずつ灯していきます。
12月25日はキリストの誕生日?
12月25日が誕生日だと、聖書に書かれているわけではありません。日付は、聖書には出てきません。
12月25日に祝う習慣は、4世紀ごろのローマに記録が見られます。なぜこの日になったのかは、はっきりしていません。主な説は二つです。
- 冬至のころのローマの祭りと重ねた、という説。冬至は、太陽の力がいちばん弱まり、また強くなりはじめる時期にあたります。その時期の祭りに、イエス・キリストの誕生を祝う習慣が重なっていった、と説明されます。
- イエスが亡くなった日などからさかのぼって計算した、という説。教会の側の説明として挙げられることがあります。
どちらも「そうだったとされる」という段階で、決まった答えはありません。子どもには、「いつ生まれたかは、くわしくわかっていないけれど、冬のはじめに、みんなでお祝いする日に決めたんだって」と話せます。
クリスマスイブは、夕方から始まる
イブ(eve)は「前の晩」という意味で、12月24日の夜をさします。ただ、「前夜祭」というより、「その日の夕方から始まる」と考えるほうが近いようです。
西方教会の暦では、一日が日没から始まります。ユダヤ教の数え方を受け継いだ習慣で、聖書の創世記にある「夕があり、朝があった」という言葉が根拠とされています。そのため、24日の夕方から、クリスマスの祝いが始まります。
フィンランドの政府観光の公式な紹介でも、北欧では24日が一年でいちばん大切な日だと書かれています。
クリスマスツリー・リース・プレゼントの由来
クリスマスツリー
もみの木を飾る習慣は、ドイツで広まったと言われています。16世紀の記録が残っています。ブレーメンの同業組合の年代記(1570年)には、りんごやナッツ、紙の花で飾った木の記述があります。ストラスブールの年代記(1604年)には、もみの木に紙のバラやりんごを飾った記述があります。
最初に飾った町は、わかっていません。「ルターが木に灯りをともした」という話もよく知られていますが、記録はなく、伝説とされています。
そのあと、ドイツの家庭から広まり、19世紀にはイギリスやアメリカにも伝わりました。イギリスでは、ヴィクトリア女王とアルバート公の家庭のツリーが広く知られるようになった、と伝えられています。
クリスマスリース
いま、アドベントに飾るリースは、1839年にハンブルクの牧師ヨハン・ヒンリヒ・ヴィヒェルンが、孤児たちのための施設で始めたと言われています。大きな木の輪に、ろうそくを24本立てたものでした。モミの枝を使うようになったのは、1860年からとされます。家庭用に、4本のろうそくへ減っていきました。
古代の花輪や常緑樹の飾りに由来するという説明もありますが、つながりを示す直接の証拠はなく、あくまで諸説です。
クリスマスプレゼント
贈り物の習慣は、いくつかの話が重なって生まれたと考えられています。東方の博士たちが、黄金・乳香・没薬を贈った話。4世紀の司教で、のちに聖人とされた聖ニコラウスが、貧しい人に金貨をそっと贈ったという伝承。ドイツでは、12世紀ごろから、12月6日の聖ニコラウスの日に、子どもへ小さな贈り物をする習慣があったとされています。
宗教改革のあと、贈り物をする日が24日・25日へ移っていき、「クリストキント(キリストの子)」が運んでくる、という地域も出てきました。サンタクロースと聖ニコラウスの話は、冒頭で紹介した別の記事で、順にまとめています。
日本のクリスマスの由来とケーキ
日本で最初にクリスマスが祝われたのは、1552年に山口で宣教師が行ったミサだとされています。これは通説で、記録の読み方には議論があります。そのあと、長いあいだ禁教の時代が続き、広く知られるようになったのは明治以降です。現在の日本では、家族や恋人と過ごす冬のイベントとして、すっかり定着しています。
クリスマスプレゼントを贈ることも、ケーキを囲んで楽しむことも、日本のクリスマスの行事として親しまれています。クリスマスケーキは、洋菓子店の不二家が広めたとされています。不二家は1910年に横浜の元町で創業しました。公式サイトの紹介に、クリスマスにケーキを売り込む企画を行った、という記述があります。ただ、始まった年や、どの店が最初かについては、公的な資料で確認できていません。ケーキは、外国の古くからの習慣ではなく、日本で育った習慣と考えられています。
国によって違う、家族のクリスマス
- フィンランド:24日が最も大切な日で、家族でサウナに入る習慣があります。24日の正午には、古都トゥルクで「クリスマスの平和」が宣言されます。1300年代から続く伝統とされています。
- ドイツ:12月6日が聖ニコラウスの日です。地域によっては、24日に「クリストキント」が贈り物を運んでくると言われています。
同じクリスマスでも、祝い方は国や家庭で少しずつ違います。子どもと一緒に、「うちのクリスマスはどんなふうかな」と話すところから始めるのもよさそうです。
サンタさんのことを聞かれたときは、サンタさんは何歳まで?聞かれたときの親の答え方も役に立ちます。
クリスマスの由来のまとめ
- クリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝う日です。聖書には日付が書かれておらず、12月25日になった理由は諸説あります。
- ツリーやリースはドイツから広まり、クリスマスプレゼントは、博士の贈り物と聖ニコラウスの伝承が重なったと考えられています。
- 日本では明治以降に広まり、現在は、家族や恋人と過ごすイベントとして定着しています。
クリスマスの情報は、調べていくと、確かなことと諸説が混ざっています。子どもには、まずお話として話し、大きくなってから、少しずつ本当のことを一緒に調べていく。そんな楽しみ方もできます。
よくある質問
- クリスマスページェントとは何ですか?
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クリスマスページェント(Christmas Pageant)は、イエス・キリストの降誕の物語を演じる劇のことで、「降誕劇」とも呼ばれます。英語の nativity play(ネイティビティ・プレイ)と同じものをさし、通例、クリスマスに上演されます。最初の降誕劇とされるのは、1223年のクリスマスイブに、アッシジのフランチェスコがイタリアのグレッチョで行った、生きた動物を使った降誕の場面の再現だ、とする見方があります。ただし、中世の宗教劇のころから、より儀式的な降誕劇が演じられてきたとも言われ、どれが最初かは、はっきりしていません。
- クリスマスはなんの略ですか?
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Christmas(クリスマス)は、「キリストのミサ(礼拝)」という意味の言葉から来ていると言われています。Xmasは、ギリシャ語でキリストを表す言葉の頭文字を使った書き方とされています。
- 12月25日はキリストの誕生日ですか?
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聖書には、イエスの誕生日は書かれていません。12月25日に祝う習慣は、4世紀ごろのローマに記録が見られますが、なぜこの日になったのかは諸説あります。冬至のころの祭りと重ねたという説が、よく紹介されます。
- クリスマスの発祥の国はどこですか?
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イエスが生まれたと伝えられる場所は、ベツレヘムです。誕生を12月25日に祝う習慣の記録は、ローマに見られます。ツリーなど、いまの形につながる習慣は、ドイツから広まったものが多いと言われています。
- クリスマスケーキの由来は何ですか?
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日本のクリスマスケーキは、洋菓子店の不二家が広めたとされています。ただ、始まった年や最初の店は、公的な資料では確認できていません。外国の古くからの習慣ではなく、日本で育った習慣と考えられています。













