保育士のとき、こどもの日が近づくと、私はお母さんたちにこう言っていました。
「おうちでも、子どもと一緒にちょっとした工作で盛り上がれますよ。材料もおうちにあるもので大丈夫です」
にっこり笑って、ちょっと先輩面で。お母さん、「やってみます!」って言ってくれて。私はそれで、ちゃんと役に立てた気になっていました。
で、自分が母親になって迎えたこどもの日。
娘、2歳半。「今日は特別な日だからね、一緒に遊ぼうね」と言ったら、「いやー!」と走って逃げていきました。
結局その日、私が準備した「完璧な工作キット」は手つかずのまま。娘は丸めた新聞紙を投げ合うだけで大喜びでした。あの頃お母さんたちに「すぐできますよ」なんて言っていた自分に、今、深く頭を下げたいです。すぐなんてできないです、ぜんぜん。でも、完璧じゃなくても、親子で笑えた時間はちゃんと思い出になる。そのことを、自分の失敗が教えてくれた気がします。
こどもの日を親子で楽しむ!保育所・家庭で使える年齢別アイデアの選び方
保育士時代、私は年齢に合わせた過ごし方について、お母さんたちにこう説明していました。
「お子さんの発達段階に合わせて、少しだけ背伸びできる遊びを選んであげると、達成感が生まれますよ」
研修で何回も聞いた話です。発達心理学の教科書にも載っていました。知識として、知っていました。
で、自分の娘に「ちょうどいい遊び」を選ぼうとしたら、これが本当に難しいんです。
「2歳だから、これくらいできるはず」と思って用意した製作が、まったく興味を持たれなかったり。逆に「まだ早いかな」と思っていた遊びに、夢中になったり。教科書通りにいかないことばかりでした。
だから今は、こう思っています。月齢はあくまで目安。目の前のわが子が「やりたい!」と思えるかどうか、それがいちばん大事なんじゃないかな、と。

2〜3歳:手先を使った工作で楽しい製作遊び
保育所の1〜2歳児クラスでは、端午の節句の時期になると、手先を使った工作をよくやっていました。
この時期の子供たちは、「握る」「貼る」「ちぎる」といった動作が楽しくなってくる頃です。だから、色画用紙をビリビリちぎって貼りつける、シールをペタペタ貼る、そういった遊びが向いています。
おすすめの手作り工作をいくつか挙げると:
- 色画用紙をちぎって貼るこいのぼり(画用紙に形を描いて、子供がちぎって貼るだけ)
- シール貼りで作るかぶと(かぶとの形に切った台紙に、カラフルなシールを自由に貼る)
- 手形・足形アート(絵の具で手足に色をつけて、画用紙にペタン)
保育士のときは「完成度より過程を大切に」ってお母さんたちに伝えてきました。今、自分が当事者になって、その言葉の本当の意味がようやくわかりました。
2〜3歳の子の工作、親が思い描いたとおりには、まず仕上がりません。うちの娘は、こいのぼりに貼るはずだった色画用紙を、自分の腕にベタベタ貼っていました。「こいのぼり、どこいった?」って聞いたら、「〇〇ちゃんがこいのぼり!」と満面の笑み。
作品としての形にならなくても、その時間を楽しめていたら、それでいいです。本当に。
4〜6歳:端午の節句を学びながら楽しめるレクリエーション
4歳を過ぎると、「なんで?」「どうして?」の嵐がやってきます。
こどもの日も例外ではありません。「なんで5月5日なの?」「なんでこいのぼりなの?」「なんでかぶとかぶるの?」
保育士のときは、こういった子供の疑問に答えるのが得意でした。「昔の人がね、男の子が元気に育つようにってお願いしたんだよ」「鯉っていう魚はね、滝をのぼれるくらい強いんだよ」。端午の節句の由来を、わかりやすく伝えてきました。
でも、ただ説明するだけじゃ、この時期の子供には物足りない。「聞く」より「やる」が好きな頃です。
だから、からだを動かす遊びと組み合わせるアイデアが効きます:
- こいのぼりクイズ:「こいのぼりの一番上の鯉は何色?」「かぶとは誰がかぶるもの?」など、端午の節句にちなんだなぞなぞを出し合う
- 「滝のぼり」遊び:床にテープで川を作り、上流に向かってジャンプしながら進む。「鯉みたいに強くなれるよ!」と声をかけると盛り上がる
- かぶとづくり競争:新聞で大きなかぶとを折る時間を競う。年長さんなら折り紙の折り方を見ながら挑戦できる
保育所でも、幼児クラスではこうしたレクリエーションを取り入れていました。由来を「教える」のではなく、遊びのなかで「体感する」。そのほうが、子供の記憶に残るんですよね。
発達段階によってルールを変えるのもポイントです。年少さん向けには単純なルール、年長さん向けには少し複雑なルール。小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんがいる家庭なら、年下の子のサポート役をお願いするのも、いい経験になります。

道具なしでもOK!家の中で盛り上がる5月の遊び5選

「道具なしで家でできる遊びは?」
これ、保育士時代によく聞かれた質問です。お母さんたち、急な雨の日とか、体調がすぐれないときとか、「今すぐ何かしたいけど準備する余裕がない!」ってこと、ありますよね。
私も当事者になって、その気持ちが痛いほどわかるようになりました。
季節感のある遊びをしたいけど、材料を買いに行く時間がない。そんな日のために、おうちにあるもの、または何も使わずに遊べるアイデアをまとめておきます。どれも準備が簡単なものばかりです。
5月のこどもの日にちなんだ遊びで、準備なしでも楽しめるものを5つ:
- 丸めた新聞紙で的当て(後で詳しく)
- こいのぼりになりきってレース(後で詳しく)
- 「柏餅屋さんごっこ」:ティッシュを丸めて柏餅に見立て、お店屋さんごっこ
- 「かぶとをかぶった王様」ジェスチャー:かぶとをかぶった人のマネをする。大人が大げさにやると子供が喜ぶ
どれも場所を選ばず、リビングで遊べます。道具がなくても、ちょっとしたゲームに変えるだけで子供は夢中になる。楽しみ方は無限大です。
丸めた新聞紙で的当て(写真付き)
うちの娘が2歳のころ、いちばんハマったのがこれでした。
用意するものは新聞紙やチラシだけ。
やり方:
- チラシを丸めて投げられる形にする(子供と一緒に丸めるところから始めると、それだけで楽しみになる)
- ダンボール箱や洗濯カゴを「的」として置く
- 離れた場所から投げて、入ったら得点
こどもの日バージョンにするなら、的に絵を描きます。こいのぼりの口の部分を大きな丸にして、「こいのぼりにごはんを食べさせよう!」というストーリーにすると、2〜3歳児も夢中になります。
保育士のときはこの遊び、「投げる動作の発達を促す遊び」として記録していました。今は「とにかく盛り上がる遊び」としか思っていません。発達とか、正直どうでもよくなります。親子で笑えればそれで。
スマホで写真を撮っておくと、後から見返したときにいい思い出になりますよ。散らかった床と、得意げな顔の子供と、なぜか丸めた紙が頭に乗っている自分と。
こいのぼりになりきってレース(子供が喜ぶ工夫付き)
これは道具なしで、からだひとつで遊べます。
ルール:
- スタートラインとゴールラインを決める(テープを貼っても、クッションを置いても)
- 「よーいどん!」で走るのではなく、「こいのぼりみたいに泳いで!」と声をかける
- 子供は両手を広げて、ひらひらさせながら走る(泳ぐイメージ)
これだけです。でも子供は「こいのぼりになる」というごっこ遊び要素が入ると、単純なかけっこの何倍も楽しそうにやります。
工夫のアイデア:
- 「風が吹いてきた! もっと速く泳いで!」と実況すると盛り上がる
- ゴールには「空」の絵(青い布でもクッションでも)を置いて、「お空まで泳ごう!」というストーリーに
- 親も一緒に「大きなこいのぼり」役で参加すると、幼児は大喜び
保育所でも、この手の「なりきり遊び」は鉄板でした。動画に撮ると、あとで見返したとき本当に笑えます。真剣な顔でひらひらしている子供の姿、何度見ても愛おしいです。
親子で作る!こどもの日の手作り工作・おもちゃ製作アイデア

「こどもの日には何をしてあげるの?」
お母さんたちから、よく聞かれた質問です。
保育士のときの私は、「特別なことをしなくても大丈夫ですよ。一緒に過ごす時間があれば」と言っていました。今も、その気持ちは変わりません。でも、「何かしたい」という気持ちも、よくわかるようになりました。
私自身、育児日記を始めたとき、「毎日きちんと書こう」と決めていました。でも続かなかった。白いページがずらっと並んだノートを見るたび、自分がだめな親のように思えて。
変わったのは、ルールを変えたときでした。「週に一回だけ、スマホで5分だけ」。それだけにしたら、半年後には小さな記録が積み重なっていました。完璧じゃなくても、残した言葉はちゃんと思い出になる。
手作り工作も同じだと思うんです。「ちゃんとした作品を作らなきゃ」と気負うより、「一緒にやってみる」が大事。仕上がりがぐちゃぐちゃでも、その時間が親子の思い出になる。
紙コップで作るこいのぼり(保育所でも人気の製作)
保育所の2〜3歳児クラスで毎年作っていた、定番の製作です。
用意するもの:
作り方:
- 紙コップを横にして、「こいのぼりの体」に見立てる
- 口の部分(底の反対側)をVの字に切り込みを入れて、しっぽの形にする
- 折り紙をちぎって、うろこに見立てて貼る(子供が担当)
- 目をマジックで描くか、丸く切った画用紙を貼る
- ストローや割りばしをつけて持ち手にすると、振って遊べるおもちゃになる
ポイントは「うろこ」のパート。ここを子供に任せると、オリジナルのカラフルなこいのぼりができます。
私が保育士だったころ、ある男の子が紙コップこいのぼりに、ずっと黒い折り紙だけを貼り続けていたことがありました。「真っ黒のこいのぼりだね」と言ったら、「夜のこいのぼりだから」と真剣な顔で答えてくれました。
子供には子供の世界観がある。それを邪魔しないこと。参考になれば、うれしいです。
折り紙で作るかぶとの折り方まとめ
こどもの日といえば、かぶと。折り紙で折れるかぶとは、保育士なら誰でも知っている定番の折り方です。
基本の折り方:
- 折り紙を三角に折る
- 左右の角を、上の頂点に向かって折り上げる(ここで菱形になる)
- 上の2枚を、それぞれ下に向かって折り返す(かぶとの「角」になる)
- 下の部分を半分に折り上げ、さらにもう一度折り上げて「つば」を作る
- 裏返して、下の三角を内側に折り込んで完成
新聞で大きなかぶとを作れば、かぶれるサイズになります。保育所でも、新聞かぶとは毎年人気でした。
4〜6歳なら、動画を見ながら一緒に折ることもできます。「ここをこうやって……あれ、反対だった!」と親子で試行錯誤するのも、いい時間です。
できあがったかぶとをかぶって写真を撮ると、立派なこどもの日の記念になります。作品として飾るのもいいですが、「かぶって遊ぶ」ほうが子供は喜びます。
ところで、成長の記録って、続け方に正解はないのだと思います。私にとっては、週に一回のメモと、リビングに立つアクリルスタンド。七五三のときの写真を使って作ったアクリルスタンドは、毎日目に入る場所に飾ってあります。写真とはまた違った良さがある。立体的で、手に取って眺められる。形があることで、思い出がより身近に感じられます。
そして、マイステラのパーソナライズ絵本もおすすめですよ。「ようこそ うつくしいせかいへ」は、お子さまの名前や誕生日、家族構成まで入れられて、エコー写真や親からのメッセージまで残すことができます。不思議な案内人と一緒に世界を旅する、やさしい物語。「生まれてきてくれてありがとう」という想いを、物語として届ける一冊です。またそれとは少し違って、一緒に遊びながら思い出になるのが、「さがして!みつけて!ふしぎなせかいりょこう」です。
自分の名前が入った主人公と一緒に世界を旅しながら、「ここにいるかな?」「あ、見つけた!」と親子でやりとりする時間そのものが、記録になります。

写真やモノとして残すのも素敵ですが、こういう“体験として残る記憶”も、あとからじんわり効いてくるなと思います。
こどもの日に、「これからの成長を願って」という気持ちを込めて贈るのも、いいかもしれません。自分の名前が物語に出てくる体験は、子供の自己肯定感にもつながると思います。保育士としてではなく、一人の親として、そう感じます。
あの頃の自分に、今あらためて頭を下げたいです。「すぐできますよ」なんて、軽々しく言わないで、と。
すぐなんてできないです。特別なことをしたい気持ちも、痛いほどわかります。
だから今、同じ場所にいるあなたに、何かを教えるなんておこがましいことはしません。ただ、こう言わせてください。
完璧じゃなくても、一緒に過ごした時間はちゃんと残ります。作品の形にならなくても、笑った記憶は消えません。
お互い、ぼちぼちやりましょう。
……ちなみに今年のこどもの日、娘は折り紙のかぶとを3分でぐしゃぐちゃにしました。「壊れちゃったね」と言ったら、「新しいの作って!」と満面の笑み。結局、5回作り直しました。それも、それでいいです。

- こどもの日を親子で楽しむための年齢別アイデアの選び方は?
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発達段階に合わせて少しだけ背伸びできる遊びを選ぶと達成感が生まれますが、実際には月齢はあくまで目安であり、子どもが「やりたい!」と思うことを優先することが最も重要です。
- 2〜3歳児におすすめのこどもの日用の工作は何ですか?
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この時期の子どもたちは握る、貼る、ちぎるといった動作が楽しくなるため、色画用紙をちぎって貼ったりシールを貼ったりする工作がおすすめです。たとえば、こいのぼりやかぶと、手形・足形アートなどがあります。
- 4〜6歳児向けのこどもの日遊びにはどんなものがありますか?
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この年齢の子どもたちは「なんで?」「どうして?」と疑問を持ち始めるため、由来を教えるとともに、なぞなぞや滝のぼり遊び、かぶと作りの競争など、体を動かす遊びを取り入れると良いでしょう。
- 道具なしでも家の中でできるこどもの日遊びは何ですか?
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新聞紙を丸めた的当て、こいのぼりになりきってレース、「こいのぼりになりきってレース」遊び、柏餅屋さんごっこ、かぶとをかぶった王様のジェスチャーなどがあります。これらはすべて準備なしで楽しめます。
- 親子で楽しめるこどもの日の手作り工作アイデアにはどんなものがありますか?
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紙コップで作るこいのぼりやかぶと、折り紙で折るかぶと、また成長の記録として写真や絵本もおすすめです。仕上がりにこだわらず、一緒に作ること自体を楽しむことが大切です。


