お子さんの時計学習、何から始めるか迷いますよね。この記事では、年齢や目的にぴったりの時計絵本を専門家目線で総まとめ。時計学習を成功させる結論は、子どもの発達段階に合った一冊を選ぶことです。0歳から楽しめる仕掛け絵本から、小学生に向けた学習絵本、人気キャラクターのタイトルまで網羅。効果的な教え方や、つまずき解消のコツも解説し、最適な絵本選びを徹底サポートします。
先に知っておきたい時計学習の基本と発達段階
時計の読み方を子どもに教えるのは、想像以上に根気がいるものです。大人が当たり前だと思っている時計の仕組みも、子どもにとっては抽象的で理解が難しい概念がたくさん詰まっています。しかし、子どもの発達段階を理解し、適切なタイミングでアプローチすれば、時計学習は決して難しいものではありません。
本格的な時計の学習は小学校1年生から始まりますが、学校で時計の単元に割かれる時間は多くないのが実情です。そのため、ご家庭でのサポートが子どもの理解度を大きく左右します。この章では、時計の絵本を選ぶ前に知っておきたい、時計学習の土台となる基本的な考え方や、子どもの発達について解説します。
数字理解と時計学習の関係
時計の学習をスムーズに進めるためには、前提としてある程度の「数の理解」が欠かせません。ただ単に数字を唱えられるだけでなく、数が持つ意味(量感や順序)を感覚的に理解していることが、時計という複雑なシステムを学ぶ上での土台となります。
例えば、「3の次は4」「8より9が大きい」といった数の順序や大小の理解は、時計の針が進むという概念や、時間の経過を把握するために必要不可欠です。子どもの数字の理解度に合わせて、時計学習のステップを進めていくことが大切です。
子どもの発達段階と、時計学習の目安を以下の表にまとめました。あくまで目安であり、お子さんの興味や発達に合わせて柔軟に進めてあげてください。
発達段階(年齢目安) | 必要な数字スキル | 時計学習でできるようになること |
---|---|---|
2~3歳 | 1から10まで数えられる。簡単な数の大小がわかる。 | 絵本やキャラクターを通じて、時計の形や文字盤の数字に興味を持つ。 |
3~4歳 | 1から20くらいまで数えられ、数字が読める。「10」以上の数字に触れている。 | 「〇時ちょうど」がわかるようになる。「短い針が3になったらおやつの時間」など、生活と時間を結びつけ始める。 |
4~5歳 | 1から30くらいまで数えられる。簡単な足し算の概念が芽生える。 | 「〇時半」がわかるようになる。長い針が「6」を指すと「半」であることを理解する。 |
5~6歳 | 1から60まで数えられる。5, 10, 15…と5飛びで数えられる。 | 「〇時〇分」の5分刻みの時間がわかるようになる。小学校入学に向けた時計学習の基礎が固まる。 |

つまずきポイントと解決の順番
多くの子どもが時計学習でつまずくポイントには、共通点があります。なぜ難しいのか、その理由を大人が先に理解しておくことで、子どもの「わからない」に優しく寄り添うことができます。
【主なつまずきポイント】
- 2本の針の役割:短い針(時)と長い針(分)がそれぞれ違う役割を持つことが混乱を招きます。
- 連動する針の動き:短い針が少しずつ動いていることや、長い針が一周すると短い針が一つ進む、という連動性が理解しにくいです。
- 「分」の概念:文字盤の「1」が「5分」、「2」が「10分」を指すという、数字の読み替えが最大の難関です。
- 「〇時半」の短い針の位置:3時半のとき、短い針が「3」と「4」の中間に位置するため、「3時なの?4時なの?」と混乱しがちです。
これらのつまずきを解消するには、一気にすべてを教えようとせず、正しい順番で段階的に進めることが最も効果的です。焦らず、一つひとつのステップをクリアしていくことを心がけましょう。
【おすすめの学習ステップ】
- 時計と仲良くなる:まずは絵本やおもちゃで、時計の形や役割に親しみます。「チクタク」「長い針と短い針」など、楽しい言葉で興味を引きつけましょう。
- 「〇時ちょうど」をマスターする:生活の区切りとなる時間と結びつけて、「短い針」の役割から教えます。「短い針が8を指したら、おやすみの時間だよ」といった声かけが有効です。
- 「〇時半」を理解する:次に「長い針」の役割を教えます。長い針が真下の「6」を指したときが「半」であるというルールを覚えます。この時、短い針が数字と数字の間に来ることも伝えましょう。
- 「5分刻み」で分に挑戦する:「分」の学習は5分刻みから始めます。「長い針が1を指したら5分、2を指したら10分」というように、九九の5の段を応用するとスムーズです。
- 「1分刻み」で仕上げる:5分刻みが定着したら、いよいよ1分単位の学習です。細かい目盛りを一緒に数えながら、時計の読み方を完成させていきます。
この順番で進めることで、子どもは無理なく時計の概念を吸収していくことができます。大切なのは、勉強として強制するのではなく、生活の中でのコミュニケーションの一環として楽しく取り組むことです。

年齢別おすすめの時計の絵本
時計の学習は、子どもの発達段階に合わせて適切な絵本を選ぶことが大切です。まだ時計の概念がわからないうちから難しい内容を与えてしまうと、苦手意識を持ってしまう可能性があります。ここでは、年齢ごとの理解度に合わせたおすすめの時計絵本を厳選してご紹介します。お子さまにぴったりの一冊を見つける参考にしてください。
0~2歳向け|音としかけで楽しく触れる
0歳から2歳の時期は、時計の読み方を「学習」するのではなく、「遊び」を通して時計という形や音に親しむことが目的です。 この時期の赤ちゃんは、五感をフルに使って世界を認識していきます。そのため、カラフルなイラストはもちろん、音が出たり、指で触って楽しめる「しかけ」があったりする絵本がおすすめです。丈夫なボードブックタイプなら、舐めたり噛んだりしても安心です。
この時期に時計のモチーフに触れておくことで、本格的な学習が始まる3歳以降、スムーズに興味を持つきっかけになります。
音の出る とけいえほん いま なんじ?
時計の読み方練習だけでなく、生活時間・習慣を自然に覚えられる知育絵本としてパパママ世代の支持を得ています。一度は遊びのブームが来て、針を動かしていくうちに「何時何分」の感覚が身につくという体験談が多くみられました。細かな針設定や一分単位の読み上げなど、本格的な知育効果を求める家庭に特におすすめです

くろくまくんのとけいえほん
「くろくまくんのとけいえほん」は、音声機能がない分、親子で対話しながら時計を学べる柔軟性・実物に近い時計パーツ・丈夫な設計が特徴です。遊びから自然に学べる構造で初めての時計学習にもおすすめであり、KUMON方式の学習を家庭で気軽に楽しみたいパパママ世代に好感度の高い知育絵本です。

3~4歳向け|針を動かしていまなんじ?
3歳から4歳になると、1から10までの数字が読めるようになり、時間の概念を少しずつ理解し始めます。 この時期は、物語と連動させながら、実際に時計の針を動かせる「しかけ絵本」が最適です。 主人公の1日の生活に合わせて「朝7時におきる」「12時におひるごはん」といったように、具体的な生活シーンと時間を結びつけてあげると、子どもは直感的に時間を理解しやすくなります。
キャラクターが登場する絵本は、子どもの「もっと知りたい」という気持ちを引き出し、楽しく時計に親しむことができます。
ペネロペ いまなんじ?
ペネロペの1日の生活を追いながら、時計の読み方を学べます。長針と短針が連動して動く本格的なしかけで、時間の進み方を体感できます。
おさるのジョージとけいえほんいまなんじ?
大人気キャラクター「おさるのジョージ」と一緒に幼稚園での1日を過ごす物語。好奇心旺盛なジョージの幼稚園での一日を通して、時間の読み方を学びます。物語の時間に合わせて時計の針を動かすことで、楽しみながら時計に親しむことができます。ジョージが好きな子どもに特におすすめです。

ディズニープリンセス はじめてのとけい
女の子に人気のディズニープリンセスたちと時間を学ぶ絵本。憧れのプリンセスと一緒なら、時計学習も特別な時間になります。

5~6歳向け|〇時半→5分→1分の段階学習
5歳から6歳は、就学に向けて時計の読み方をより正確に理解していく大切な時期です。多くの子どもがつまずきやすい「分」の概念を、「〇時半」→「5分ごと」→「1分きざみ」と段階的に学べる絵本を選びましょう。 このステップを踏むことで、子どもは混乱することなく、着実に時計の読み方をマスターできます。
音で時間を教えてくれる機能や、クイズ形式で楽しく復習できる絵本も、学習意欲を高めるのに効果的です。
とけいのほん①②
ロングセラーとして知られる『とけいのほん』は、学習型絵本の代表格です。ちび(短針)とのっぽ(長針)の物語を通して、時計の概念をわかりやすく伝えてくれます。
- とけいのほん①:「〇時ちょうど」と「〇時半」の読み方を学びます。まずはこの2つの概念をしっかり理解することが、時計学習の第一歩です。
- とけいのほん②:①を理解した後に、「〇時〇分」という複雑な読み方に挑戦します。5分刻みから1分刻みへと、より詳細な時間の読み方を習得できます。
この2冊をセットで、お子さんのペースに合わせて読み進めることで、時計の読み方を体系的に身につけることが可能です。

でんしゃのとけいえほん
電車好きの子どもに大人気の一冊。全国の電車が登場し、発車時刻などに合わせて時計の針を動かして遊びます。 好きなものと結びつけることで、学習へのモチベーションが格段にアップします。
目的別おすすめの時計 絵本
時計の絵本は、お子さんの興味や発達段階に合わせて目的別に選ぶことで、より効果的に時計の学習を進めることができます。ここでは「体感型」「学習型」「物語型」の3つの目的に分けて、それぞれのおすすめ絵本をご紹介します。
針が連動する体感型
実際に針を動かしたり、音を聞いたりしながら、五感を使って時計の仕組みを学べるのが「体感型」の絵本です。特に、長針を動かすと短針も連動して動くタイプは、時計の針の動きのルールを直感的に理解するのに最適です。なぜ12が一番上にあるのか、なぜ「1」が「5分」なのかといった、子どもが混乱しやすいポイントも、実際に触れることでスムーズに受け入れられます。
音が出る絵本は、クイズ機能などが付いていることも多く、遊びの延長で楽しく時間の感覚を身につけることができます。
読み方が身につく学習型
時計の読み方を、段階を追ってじっくりと理解させたい場合には「学習型」の絵本がおすすめです。「〇時ちょうど」から始まり、「〇時半」、そして「〇時〇分」へと、つまずきやすいポイントを一つひとつ丁寧に解説してくれるため、着実に時計の読み方をマスターできます。
特に、シリーズでステップアップできる絵本は、お子さんの理解度に合わせて進められるので、無理なく学習を続けることができます。時計の学習は小学校1年生から始まりますが、学校の授業だけでは時間が足りないことも多いため、入学準備としても最適です。
アンパンマン おしゃべりとけい
小さなお子さまに大人気のアンパンマン!
「アンパンマン おしゃべりとけい」は、アンパンマンの声で時間やあいさつを楽しく学べる絵本です。
5分ごとに時間の感覚をつかめる仕組みと、ワクワクするクイズ機能つき。
遊びながら自然と時計の読み方を覚えられる、幼児期にぴったりの知育アイテムです。

生活リズムが身につく物語型
時計の読み方だけでなく、「この時間には何をする」といった生活習慣や一日の流れを、物語を通して自然に学べるのが「物語型」の絵本です。主人公の朝起きてから夜寝るまでの行動と時間を結びつけることで、時間管理の基礎となる見通しを立てる力が育まれます。
お気に入りのキャラクターの絵本を選べば、お子さんは喜んで物語の世界に入り込み、楽しみながら時間の感覚を養うことができるでしょう。
ペネロペ いまなんじ?
先程も紹介をしたペネロペの「おはよう」から「おやすみ」までの一日を追いながら、時計の針を合わせていくしかけ絵本です。幼稚園に行く時間、おやつの時間、お風呂の時間など、子どもの生活に密着した内容で、共感しながら読み進められます。
時計つくりのジョニー
こちらは直接時計の読み方を教える本ではありませんが、時計そのものへの興味や親しみを育むのに最適な物語絵本です。周りに理解されなくても自分の好きなことを追求するジョニーの姿を通して、夢をあきらめないことの大切さも教えてくれます。年長さんくらいから楽しめる、奥深い一冊です。

読み聞かせの実践テクニック
時計の絵本は、ただ読むだけでなく、親子のコミュニケーションを深める絶好の機会です。読み聞かせ方を少し工夫するだけで、子どもの興味を引きつけ、時計への理解を楽しく深めることができます。大切なのは「教え込む」のではなく、物語の世界を一緒に楽しみながら、自然と時間に親しむことです。
親の声かけテンプレート
読み聞かせの中や日常生活で使える声かけは、時計学習の重要なステップです。子どもの発達段階や興味に合わせて、様々な言葉を投げかけてみましょう。ここでは、シーン別の声かけテンプレートをまとめました。
学習段階 | シーン | 声かけの例 | ポイント |
---|---|---|---|
導入期 (時計への興味づけ) | 絵本を読みながら | 「あ、時計さんが出てきたね!長い針さんと短い針さんがいるね」「チクタク、どんなお話をしているのかな?」 | 時計をキャラクターのように扱い、親しみを持たせる。 |
初級編 (〇時・〇時半) | 生活の中で | 「見てみて、短い針が8を指したよ。そろそろねんねの時間だね」「長い針がまっすぐ下の6に来たから、おやつの時間、3時半だよ!」 | 具体的な生活の行動と時間をセットで伝えることで、時間の感覚が身につきやすくなります。 |
中級編 (〇分) | お出かけ前 | 「あと10分でお家を出るよ。この長い針が2のところに来たら、靴を履こうね」 | 先の見通しを立てる手伝いをすることで、子ども自身が時間を意識するようになります。 |
応用編 (時間への理解) | 絵本の感想 | 「このお話は朝から始まって、夜に終わったね。時計の針もたくさん動いたね」 | 時間の経過という概念を物語と結びつけて理解を促す。 |
読書嫌いにさせない工夫
学習を意識しすぎるあまり、子どもが絵本自体を嫌いになってしまっては元も子もありません。過去の失敗談からも、親が「教えたい」という気持ちを出しすぎないことが何よりも大切です。子どもを読書嫌いにさせないために、以下の点を心がけましょう。
- 無理強いしない、問い詰めない
子どもが疲れていたり、気分が乗らない時は、無理に読み進めたり、「これは何時?」とクイズを出したりするのはやめましょう。「また今度一緒に読もうね」と、子どもの気持ちを尊重することが大切です。 - まずは親が楽しむ
親が楽しそうに絵本を読んでいれば、その気持ちは子どもにも伝わります。物語の世界に一緒に入り込み、登場人物になりきってセリフを読んであげるなど、読み聞かせ自体を親子で楽しむ姿勢が重要です。 - できたことを褒める
時計が読めることよりも、絵本に集中できたこと、ページをめくれたことなど、ささいなことでも「最後まで聞けてえらかったね」「絵をよく見ていたね」と具体的に褒めてあげましょう。自己肯定感を育むことが、学習意欲にも繋がります。 - 心地よい環境を作る
寝る前の静かな時間や、リラックスできるソファの上など、親子がゆったりと触れ合える環境で読み聞かせを行いましょう。「絵本の時間は楽しい」というポジティブな体験を積み重ねることが、読書習慣の基礎となります。

クイズ化・ゲーム化のアイデア
時計の絵本を読んだ後は、内容を活かしたクイズやゲームを取り入れると、より楽しく知識が定着します。遊びの延長線上で、自然と時計の読み方をマスターしていきましょう。
- 「いまなんじ?」クイズ
絵本に出てきた時間や、おやつの時間、寝る時間などを指して「いまなんじかな?」とクイズを出し合います。 しかけ絵本の時計を使ったり、家にある本物のアナログ時計を使ったりして、親子で出題し合うのがおすすめです。 正解・不正解にこだわらず、時計の針を読むことに挑戦したこと自体を褒めてあげましょう。 - なりきり時計ゲーム
子どもが両腕を使って、時計の針の真似をするゲームです。「長い針さんになって、ぐるーっと一周してみて!」「次は短い針さんになって、3時を指してみて!」などと声をかけ、体を使って時間の感覚を養います。 - 時間でアクション!ゲーム
「長い針がてっぺんの12に来たら、ばんざーい!」「長い針が真下の6に来たら、お辞儀しよう!」というように、特定の時刻に特定のアクションを結びつけるゲームです。遊びながら「〇時ちょうど」や「〇時半」の針の位置を体感的に覚えられます。
家庭での環境づくり
時計の絵本を読んだ後は、家庭の環境を少し整えるだけで、子どもの時間に対する理解をさらに深めることができます。絵本で芽生えた興味を、日常生活の中で自然に学びへとつなげていくことが大切です。ここでは、時計学習の効果を高めるための具体的な環境づくりのポイントをご紹介します。
見やすいアナログ時計の選び方と置き方
子どもが時計に興味を持ち始めたら、まずは見やすくて分かりやすいアナログ時計を生活空間に用意しましょう。デジタル表示はすぐに時刻がわかって便利ですが、時間の流れや量感を体感的に理解するには、針が動くアナログ時計が最適です。
子どもが時間を意識しやすい時計の選び方
子ども用の「知育時計」は学習のために様々な工夫が凝らされていますが、長く使うことを考えるとシンプルなデザインのものも魅力的です。以下のポイントを参考に、ご家庭に合った時計を選んでみてください。
選び方のポイント | 具体的な内容 |
---|---|
文字盤のデザイン | 1から12までの数字がすべてはっきりと書かれているものが基本です。アラビア数字(1, 2, 3…)で、子どもが読みやすいフォント(ゴシック体など)を選びましょう。キャラクターの絵などが文字盤に大きく描かれていると、針が見えにくくなることがあるので注意が必要です。 |
針の形状と色 | 長針(分針)と短針(時針)の長さや太さ、色が明確に違うと、子どもがそれぞれの役割を区別しやすくなります。 秒針の動きが見えるタイプも、時間の経過を視覚的に捉える助けになります。 |
「分」の補助表示 | 文字盤のフチに「5, 10, 15…」といった5分刻みの数字や、1から59までの目盛りが書かれている「知育時計」は、分を読む練習を始めたばかりの子どもにとって大きな助けとなります。 |
機能性 | 時刻合わせの手間が不要な「電波時計」は、常に正確な時間を表示してくれるので便利です。また、寝室に置く場合は、秒針の音が気にならない「スイープ運針(連続秒針)」のタイプがおすすめです。 |
わが家では、シンプルで美しいデザインで知られるseikoとレムノスの電波時計を長年愛用しています。数字が見やすく、どんなインテリアにも馴染むのでリビングにぴったりです。


時計学習の効果を高める設置場所のアイデア
時計はただ設置するだけでなく、その場所も重要です。子どもが自然と時間を意識できる場所に設置しましょう。
- リビングやダイニング:家族が最も長く過ごす場所に設置することで、日常会話の中で「長い針が8になったらお片付けしようね」といった声かけがしやすくなります。
- 子ども部屋:自分の部屋に時計があることで、遊びの時間や勉強の時間など、自分自身で時間を管理する意識が芽生え始めます。
- 子どもの目線の高さ:可能であれば、子どもが見やすい高さに設置するのが理想です。壁掛け時計の場合は、少し見上げる位置でも、文字盤がはっきり見えるものを選びましょう。
ルールづくりとタイムマネジメント
時計が読めるようになることの最終的な目標は、子ども自身が時間を見通し、計画的に行動できるようになることです。そのために、家庭での簡単なルールづくりや、時間の使い方を意識させる工夫が役立ちます。
親子で取り組む時間ルールの作り方
「何時になったら何をする」という生活リズムを整えることは、時間の感覚を養う上で非常に効果的です。 一方的にルールを押し付けるのではなく、子どもと一緒に相談しながら決めることで、子どもはより主体的に時間やルールを守ろうとします。
- やることリストの作成:「朝起きたらやること」「寝る前にやること」などをイラストや文字でリスト化し、時計の絵とセットで壁に貼っておくと、子どもが自分で次に行うことを確認できます。
- ポジティブな声かけ:「早くしなさい!」と急かすのではなく、「7時半になったら、大好きなアニメが始まるね!それまでにご飯を食べちゃおう」のように、楽しい予定と時間を結びつけて伝えると、子どもの意欲を引き出すことができます。
- 時間の区切りを意識させる:「ゲームの時間は30分ね。長い針が6のところに来たらおしまいだよ」と具体的に伝え、タイマーを併用するのも効果的です。時間が視覚的にわかる砂時計やキッチンタイマーもおすすめです。
「あとどれくらい?」をなくすタイムマネジメント術
子どもが時間の感覚を掴むまでは、「あと5分」がどれくらいの長さなのかを理解するのは難しいものです。そこで、目に見えない時間を「見える化」してあげる工夫を取り入れましょう。
- タイマーの活用:スマートフォンやキッチンタイマーを使い、「この音が鳴ったらお出かけの準備を始めよう」と予告することで、子どもは見通しを持って行動でき、スムーズな切り替えが促せます。
- 具体的な行動と結びつける:「テレビ番組が1個終わったら」「この絵本を読み終わったら」など、子どもが理解しやすい区切りで時間を伝えるのも一つの方法です。
- 一緒に計画を立てる:休日の朝に「今日は公園に行って、お昼ご飯を食べて、午後はこのパズルをしよう。公園に行くのは10時だから、それまでに準備を終わらせようね」というように、一日の流れを一緒に確認する習慣をつけると、子どもは先の時間を予測して行動する練習ができます。
絵本をきっかけに、家庭の中に少しだけ時間を意識する工夫を取り入れることで、子どもは無理なく時計の読み方や時間の感覚を身につけていきます。焦らず、日々のコミュニケーションを楽しみながら、お子さんの「自分でできた!」を応援していきましょう。
腕時計デビューガイド
時計の絵本で時間に親しんだら、次のステップとして腕時計デビューを検討してみましょう。自分で時間を管理する経験は、子どもの自立心や責任感を育む大切な一歩になります。特に、友達との約束や習い事など、子どもの行動範囲が広がるタイミングは、腕時計デビューに最適です。
何歳から時間管理できる?
子どもが腕時計を身につけ始めるのは、一般的に5歳頃から可能ですが、実際に購入するタイミングとしては小学校へ入学する6~7歳が最も多いようです。保育園や幼稚園の卒園祝い、小学校の入学祝いとしてプレゼントされるケースもよく見られます。
自分で時間を意識し、管理できるようになるのも、学校で時計の読み方を習う小学校1年生(6~7歳)頃からです。絵本や家庭での声かけを通じて、それ以前から時間に親しんでおくことで、子どもはよりスムーズに時間管理のスキルを身につけることができます。
腕時計を持つことで、「あと10分で公園を出ようね」「4時になったらお家に帰ろう」といった具体的な声かけがしやすくなり、子ども自身が時間を意識して行動するきっかけになります。これは、「自分でできた」という成功体験につながり、自己肯定感を育む上でも非常に重要です。
キッズスマートウォッチのメリット・デメリット
最近では、従来のアナログ腕時計だけでなく、多機能なキッズスマートウォッチも人気です。腕時計デビューを機に検討する家庭も増えていますが、メリットとデメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
機能面 | GPSによる見守り、通話、SOS発信など防犯に役立つ機能が豊富。アラームやスケジュール管理で時間管理をサポートしてくれる。 | ゲームなどの機能に夢中になりすぎる可能性がある。機能が多すぎて使いこなせない場合も。 |
コスト面 | 防犯ブザーやキッズ携帯の役割も兼ねるため、コストパフォーマンスが高い場合がある。 | 本体価格が通常の腕時計より高価。通信機能があるモデルは月額料金が発生する。 |
運用面 | 親子間のコミュニケーションツールとして活用できる(メッセージ機能など)。 | 定期的な充電が必要。学校によっては持ち込みが禁止されている場合があるため、事前の確認が必須。 |
GPSあり/なしの選び分け
キッズスマートウォッチを選ぶ際、最も大きな分かれ道となるのがGPS機能の有無です。家庭の方針や子どものライフスタイルに合わせて、最適なモデルを選びましょう。
GPSありモデルがおすすめなのはこんな子
子どもが一人で行動する機会が多いご家庭には、GPS機能付きのモデルが心強い味方になります。例えば、学童からの帰宅、一人での習い事への行き帰り、友達の家へ遊びに行く際などに、保護者のスマートフォンからいつでも居場所を確認できる安心感は非常に大きいです。共働きのご家庭や、子どもの安全を最優先に考えたい場合に特におすすめです。
代表的なモデルとしては、通話やビデオ通話も可能な「myFirst Fone」シリーズなどが人気を集めています。

GPSなしモデルがおすすめなのはこんな子
学校のルールでスマートウォッチの持ち込みが禁止されている場合や、まずは純粋に時計としての機能に慣れさせたいというご家庭には、GPS機能のないモデルが適しています。これらのモデルは、月額料金がかからず、カメラやゲーム、アラームといった子どもが楽しめる機能に特化していることが多いです。おもちゃの延長として楽しみながら、時間を意識する習慣を身につける第一歩として最適です。
「すみっコぐらし」や「ポケットモンスター」など、子どもに人気のキャラクターを採用したモデルが多く、プレゼントとしても喜ばれるでしょう。


よくある失敗とQ&A
時計の学習は、お子さま一人ひとりの発達段階によってつまずくポイントが異なります。ここでは、多くの保護者の方が抱える時計学習の疑問やお悩みについて、具体的な解決策とともにお答えします。
まずどの本から始めればいい?
たくさんの時計絵本があって、最初の1冊に迷いますよね。結論から言うと、お子さまが一番興味を持つキャラクターや仕掛けのある絵本から始めるのが最も失敗が少ない方法です。学習の第一歩は「時計って楽しい!」と感じてもらうことです。
年齢別の選び方の目安は以下の通りです。
- 0歳~2歳向け: 音が出たり、針をさわって遊べたりする「しかけ絵本」がおすすめです。まだ時間を覚える段階ではないので、時計というモノに親しむことを目的とします。
- 3歳~4歳向け: 数字に興味を持ち始める時期です。お話にそって時計の針を動かす「ペネロペ いまなんじ?」のような物語と連動した絵本で、生活の流れと時間を結びつけてあげましょう。
- 5歳~6歳向け: 「〇時半」や「〇分」といった具体的な時間の概念を学び始めます。「とけいのほん①②」のように、段階を追って無理なくステップアップできる学習系の絵本が最適です。
まずは図書館で何冊か借りてみて、お子さまの反応を見るのも良い方法ですよ。
分が難しいときの対処
多くの子どもが「分」の概念でつまずきます。その理由は、「文字盤の数字」と「分の読み方」が違うこと(例:「1」が「5分」)や、2本の針の役割を同時に理解する必要があるためです。焦らず、以下のステップで進めてみましょう。
「分」の学習でつまずきやすいポイントと、その対処法を以下の表にまとめました。
つまずきポイント | 具体的な対処法 |
---|---|
数字と分の読みが一致しない(例:「1」が「5分」) | おやつの時間などを使い「長い針が3のところ、5・10・15で15分だね」と5の段を唱えるように声かけします。文字盤の数字の横に「5」「10」と分を書き足した学習用の時計を使うのも効果的です。 |
長い針と短い針の役割が混ざってしまう | まずは「短い針は『〇時』、長い針は『〇分』」と役割をはっきりさせます。「長い針がお山のてっぺん(12)に来たら『ちょうど』だよ」というように、分かりやすい言葉でルールを伝えましょう。 |
「〇時55分」と次の時間の区別(例:8時55分と9時) | 短い針がほとんど次の数字を指しているため、混乱しがちです。「あと5分で9時だね」というように、次の時間との関係性を意識させる声かけをすることで、時間の連続性が理解しやすくなります。 |
時計の学習自体を嫌がってしまったら?
もしお子さまが時計の学習を嫌がるようになったら、それは「お勉強」になっているサインかもしれません。既存の記事で紹介した私の失敗談のように、親が熱心になるあまり、子どもを追い詰めてしまうケースは少なくありません。
一度、時計の絵本やドリルから数週間から数ヶ月ほど距離を置いてみましょう。その間は、時間を尋ねるのをやめ、「もうすぐ3時だね。おやつの時間だ」のように、生活の中でさりげなく時間を実況中継するに留めます。お子さまの興味が自然に戻ってくるのを待つ姿勢が大切です。
「〇時半」の「半」って何?と聞かれたら?
「半」という言葉は、子どもにとって抽象的で分かりにくい概念です。ピザやケーキなど、実物を使って説明するのが効果的です。
「この丸い時計のピザを、ちょうど半分食べたところが『半』だよ。長い針が真下(6)に来たら、ちょうど半分進んだ合図なんだ」というように、視覚的なイメージと言葉を結びつけて教えてあげましょう。「60分間の冒険のちょうど半分の休憩場所が30分(半)の場所だよ」と物語にするのも良いでしょう。
デジタル時計への移行はいつ?
ご家庭にデジタル表示の時計が多いと、アナログ時計の学習を後回しにしたくなるかもしれません。しかし、小学校の授業やテストではアナログ時計が主流ですし、時間の経過や「あとどれくらい」という時間の量を感覚的に理解するためには、アナログ時計の学習が不可欠です。
デジタル時計への移行は、アナログ時計で「〇時〇分」が問題なく読めるようになってからで全く問題ありません。 目安としては、小学校1年生の後半から2年生にかけて、アナログ時計の理解が定着したタイミングがよいでしょう。
デジタル時計は表示された数字を読むだけなので、アナログ時計が理解できていればすぐに慣れることができます。最初は家ではアナログ時計を使い、テレビの時刻表示などでデジタルに触れる、というように併用していくのがスムーズです。
まとめ
この記事では、年齢や目的別に最適な時計の絵本と、学びを深める教え方をご紹介しました。時計学習を成功させる鍵は、お子様の発達段階に合った一冊を選ぶことです。しかけ付きの絵本で興味を引き、物語を通して生活リズムを学ぶなど、目的を明確にすることで効果は大きく変わります。ご紹介した『とけいのほん』や『アンパンマン』などを参考に、ぜひ親子で楽しみながら時間感覚を育む第一歩を踏み出してください。