「子どもに絵本を読んであげたいけれど、本当に効果はあるのかしら?」
「読み聞かせのコツって、なにかあるの?」
このように、絵本の読み聞かせについて悩まれている方は多いのではないでしょうか。
実は、お子さんへの読み聞かせには、想像力を育むだけでなく、言葉の発達や集中力の向上など、たくさんの効果があることが研究でわかってきています。
今回は、そんな読み聞かせの魅力的な効果とコツについてご紹介。絵本の読み聞かせについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
読み聞かせがもたらす効果5つ

読み聞かせは、物語内容をお子さんに伝えるだけの時間ではありません。お子さんとの温かい交流ができる、大切な時間です。またそれだけでなく、発達にも多面的な効果をもたらすことが研究でも明らかになっています。
では、読み聞かせには具体的にどのような効果があるのでしょうか。ここでは、主な「5つの効果」についてご紹介します。
1.言語発達が促進される
幼児期の読み聞かせの頻度が高いほど、児童期のひとり読みの頻度が高まることが研究によって明らかになっています。児童期の中でも小学4年生以降のひとり読みの頻度の高さは、言葉のスキルや論理性の獲得に影響を与えているそうです。
2.想像力と創造性が育まれる
絵本を通じて新しい世界や概念に触れることで、お子さんの想像力は大きく広がります。絵と言葉を結びつける過程で、視覚的思考力も培われていきます。「次はどうなるんだろう?」という好奇心が、創造的思考の土台となるのです。
3.情緒が育まれる
読み聞かせは、感情理解力や共感性を育むのにも効果的です。物語の登場人物の喜びや悲しみを通じて、他者の気持ちを理解する力が自然と育まれます。保護者との温かい触れ合いの時間は、お子さんの情緒的な安定にもつながります。
4.集中力と理解力が向上する
絵本を最後まで聞く習慣は、集中力の向上につながります。読み聞かせを通してストーリー展開を追うことで、論理的思考力も培われます。こうした能力は、就学後の学習活動の基礎となる重要な力です。
5.コミュニケーション能力が高まる
読み聞かせの際の対話は、双方向のコミュニケーションの練習となります。「どうしてそうなったの?」「次はどうなると思う?」といった会話を通じて、考えを表現する力が育ちます。
読み聞かせを効果的に行うためのポイント5つ

お子さんとの読み聞かせ時間を楽しく効果的なものにするために、以下のポイントをおさえておきましょう。読み手である大人にとっても、お子さんとの心温まる時間となるはずです。
1.子どもの年齢や興味に合わせた本を選ぶ
読み聞かせの時間を充実したものにするには、お子さんに応じた難易度・内容の絵本を選ぶことが大切です。お子さんの興味のある題材(恐竜、乗り物、動物など)を取り入れることで、より集中して聞いてもらえます。読み聞かせの途中で飽きてしまう、難しすぎて理解できないといったことがないよう、お子さんの発達段階に合わせて絵本を選びましょう。
2.リラックスした雰囲気づくりをする
読み聞かせの環境づくりも大切なポイントです。テレビを消す、スマートフォンを離すなど、気が散らない空間を作りましょう。また、お子さんが落ち着ける場所で、ゆったりとした姿勢で膝に座らせたり、横に座らせたりするのもおすすめです。時間帯は、お子さんの機嫌がよく、集中できる状態のときを選びましょう。
3.感情を込めた読み方になるよう工夫する
登場人物の気持ちや場面の雰囲気が伝わるよう、声の大きさや話すスピード、トーンを変えることで、物語がよりいっそう魅力的になります。ただし、演技的になりすぎないよう注意が必要です。絵本の世界に引き込まれるような、自然な読み方を心がけましょう。場面に合わせてメリハリをつけることがコツです。
4.質問や会話を織り交ぜる
読み聞かせの最中や読み終わった後に「どうしてそうなったと思う?」「次はどうなりそう?」といった質問を投げかけることで、想像力や思考力を刺激できます。また、お子さんからの質問や感想にも丁寧に応えることで、コミュニケーション能力の向上にもつながります。物語を深く理解する手助けにもなるでしょう。
5.絵本を読む「習慣」を作る
読み聞かせは習慣化することで、大きな効果が期待できます。毎日の就寝前や、休日の午後など、決まった時間に読み聞かせの時間を設けるのがおすすめです。「読み聞かせが楽しみな特別な時間」として定着することで、本への興味や学習意欲の向上にもつながるでしょう。
読み聞かせのもつ、無限の可能性

読み聞かせは、お子さんの感性を豊かに育み、心の発達を支える大切な機会です。絵本の読み聞かせには以下5つの効果があります。
- 言語発達が促進される
- 想像力と創造性が育まれる
- 情緒が育まれる
- 集中力と理解力が向上する
- コミュニケーション能力が高まる
ぜひ毎日の生活に読み聞かせの時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。素敵な絵本との出会いは、きっとかけがえのない思い出となることでしょう。
【参考文献】
読み聞かせの実態と言葉の発達─幼児期から小学生の家庭教育調査─
https://benesse.jp/berd/up_images/magazine/KORE_2019_spring_data.pdf