寒い季節、どうしてもチョコレートが食べたくなるのは、甘さのせいだけではありません。
包みを開く音、ゆっくり溶ける時間、誰かと分け合った記憶。
そこには、味以上のものが詰まっています。
絵本も、同じです。
ページを開いた瞬間に広がる色と言葉は、子どもの心だけでなく、大人の奥に残っていた感情まで、そっと呼び覚ます。
だから、チョコレートを描いた絵本は、特別です。
我慢できない気持ち。誰かにあげたい気持ち。
作る人の想い。遠い国で働く人たちの時間。
チョコレートは、食べものの姿をした「物語」だからです。
このページは、そんなチョコレート絵本を探す人のための場所です。
かわいいだけでも、学べるだけでもない。
「今のこの子に」「今の自分に」合う一冊に出会うための、選び方の地図。
42冊のチョコレート絵本を読み比べ、ジャンルごとに整理しました。
ここでは一冊ずつの評価よりも、「どう選ぶと、心に届くか」を大切にしています。
正解はありません。
でも、読んだあとに残る余韻には、確かな違いがあります。
チョコレートをテーマにした絵本を選ぶ前に知っておきたい情報
チョコレート絵本と聞くと、バレンタインの季節だけの本と思われがちです。でも実際には、年齢も目的もまったく異なる本が「チョコレート」というテーマのもとに集まっています。
大きく分けると、5つのジャンルがあります。
想像力をくすぐる物語・ファンタジー系。カカオの旅を追いかける学習・知識系。読んだあと手を動かしたくなるレシピ・実用系。探す・めくる・見つけるの参加・体験型。そして一人で読みふける児童書・読みもの系。
同じ「チョコレート絵本」でも、3歳の子に渡す本と小学生が読む本では、まるで別ものです。目的がずれると、せっかくの一冊が響かない。だからこそ、最初に「何のために選ぶのか」を意識するだけで、選書の精度はぐっと上がります。
チョコレート絵本のおすすめ本をジャンル別に紹介|5つの楽しみ方
① チョコレートの物語絵本|読み聞かせで子どもの想像力が広がる
チョコレートが池になったり、街になったり、妖精になったり。このジャンルの魅力は、とにかく自由なところです。
たとえば『チョコレートパン』のナンセンスさ。意味を考えなくていいからこそ、子どもが笑います。『こねこのチョコレート』では、「ひとつだけ」の誘惑に負ける気持ちが丁寧に描かれていて、読み聞かせのあとに小さな沈黙が生まれます。その沈黙が、いい。
物語系のチョコレート絵本は、3〜6歳の読み聞かせに特に力を発揮します。感情の言葉が増え始めた時期の子どもに、物語が「気持ちの名前」を教えてくれることがあります。
▶ このジャンルをもっと詳しく知りたい方は【物語で楽しむチョコレート絵本】へ

② チョコレートがおいしいわけを知る|世界が広がる学習・児童向け絵本
チョコレートは、実は社会科の入口です。
カカオがどこで育ち、どうやってチョコになるのか。誰が作っているのか。『チョコレートがおいしいわけ』は難しい話をしません。でも、ちゃんと世界とつながります。『ひと粒のチョコレートに』は、もはや子ども向けという枠を超えた一冊。大人が黙って読み込んでしまうタイプです。
このジャンルは、5歳から小学生にかけて力を発揮します。「なんで?」が増えた時期の子どもに、食育やSDGsの入口として自然に手渡せるのが強みです。
▶ このジャンルをもっと詳しく知りたい方は【学べるチョコレート絵本】へ
③ 親子で一緒につくるチョコのお菓子レシピ絵本
物語から行動に変わる絵本は、記憶に残ります。
『ルルとララのチョコレート』シリーズの良さは、「作れる」という事実が子どもの自信を底上げするところ。『ぐるぐるガトーショコラ』は、お菓子づくりの工程を楽しい動作に変換していて、料理が苦手な大人にも入りやすい設計です。
親子の時間を増やしたいとき、バレンタイン前の準備として、「できた!」という体験をさせたいとき。レシピ系のチョコレート絵本は、読んだ先に行動がある分、満足度がとても高いジャンルです。
▶ このジャンルをもっと詳しく知りたい方は【作って楽しむチョコレート絵本】へ
④ さがし絵・しかけ絵本シリーズ|集中したい子や静かに楽しみたい日に
探す、めくる、見つける。言葉が少なくても満足度が高いのがこのジャンルです。
『チャーリーとチョコレート工場 さがし絵ブック』は、原作を知らなくても成立します。逆に、知っていると発見が止まらない。しかけ絵本は見た目の華やかさもあるので、プレゼントとしても喜ばれやすいタイプです。
さがし絵の面白さは、「見つけた!」の瞬間にあります。自分の目で発見する体験は、読んでもらう絵本とはまた違う達成感がある。だからこそ、何度開いても飽きません。
そんな「探す楽しさ」が好きな子に、もうひとつ知ってほしい絵本があります。
MY STELLAの『さがして!みつけて!ふしぎなせかいりょこう』は、子どもの名前や髪型、家族やペットまで物語に登場する名前入りのパーソナライズ探し絵本です。主人公だけじゃなく、パパやママや妹やねこちゃんまで登場する絵本は家族みんなで楽しめること間違いなしのオリジナル絵本です。

魔法使いの国や妖精の国など全12の不思議な国を冒険するなかに、「おかしの国」というページがあります。チョコレートやキャンディでできた街のなかに、自分や家族が隠れている。「パパどこ?」「あ、猫のみるくがいた!」と、読むたびに新しい発見が生まれます。

既製のさがし絵本で「探す楽しさ」を覚えた子が、自分の名前が入った探し絵本に出会ったとき——その驚きと喜びは、ちょっと特別なものがあります。

⑤ 児童書・読みもの|1冊で読みごたえのあるチョコレートの物語
『チョコレート戦争』は、「チョコなのに、こんな話?」と驚かれる名作。正義、友情、理不尽——チョコレートは入口にすぎず、本質はもっと苦い。だから忘れられません。
一人読みが始まったお子さんが、物語の力で夢中になれる本を探しているなら、このジャンルには読み応えのある作品が揃っています。
何歳から読める?|子どもの年齢別チョコレート絵本の選び方
ジャンルで選ぶのが基本ですが、年齢によって「響くポイント」が変わります。迷ったときの目安にしてください。
0〜2歳には、色がはっきりしていて、言葉が少なく、リズムで楽しめる本を。チョコレートの「意味」はまだわからなくても、絵の力だけで惹きつけられる作品があります。
3〜5歳には、物語性のある本を。くり返しがある構成、「わかる!」と共感できる展開が、この時期の子どもの心をつかみます。読み聞かせで一番反応が返ってくる年齢帯でもあります。
6歳〜小学生には、知識と物語が重なる本を。作れる、考えられる、世界とつながる——。チョコレート絵本が「甘いだけの本」ではないことを、この年齢の子どもたちは自分で発見できます。
▶ 年齢ごとのおすすめを詳しく見たい方は【年齢別チョコレート絵本おすすめガイド】へ
バレンタインにチョコレート絵本を贈るという選択|大好きな人へのプレゼントに
チョコレートは溶けます。でも、絵本は残ります。
一緒に読んだ時間。作った記憶。笑ったページ。バレンタインに絵本を選ぶ人は少数派かもしれません。でも「忘れられない側」になります。
読み聞かせ向きの一冊、プレゼントとして包みやすい一冊、チョコレートが出てこなくてもバレンタインに合う一冊——。季節に合わせた選び方には、ちょっとしたコツがあります。
▶ バレンタイン向けの選び方は【バレンタイン×チョコレート絵本ガイド】へ
おすすめのチョコレート絵本が決めきれないあなたへ|好きな1冊の見つけ方
正直に言います。ここまで読んでも、1冊に絞るのは難しいと思います。
それでいいのです。
チョコレート絵本は「正解を当てる本」ではなく「今を映す本」。今の年齢、今の気分、今だれと読むか——それだけで、選ぶ本は変わります。
もし「選び方そのもの」をもう少し深く考えたい方は、年齢だけで選ばない理由や、大人が読んでも耐えられるかどうかの判断軸についてまとめたページもあります。
▶ 選び方を深掘りしたい方は【チョコレート絵本の選び方】へ
えほんを選ぶ楽しさの先にあるもの|大人も子どもも出会える世界にたった1冊の物語
世の中には、素敵なチョコレート絵本がたくさんあります。
42作品を読み比べてなお思うのは、「完璧な一冊」はないということ。でも、「この子に合う一冊」は、必ずあります。
選ぶ時間は、楽しい。 その先に、もうひとつの選択肢があることも、少しだけお伝えしておきます。
名前や誕生日、家族の名前が物語に入り込む「パーソナライズ絵本」という体験。既製の絵本で育まれた想像力は、「自分が主人公になる物語」という新しい体験にも自然とつながっていきます。
たくさんの物語を読んだ先に、世界にたった一冊の物語がある。 そんな選択肢があることも、心のどこかに。


